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症状別コラム

2026年5月15日

子供の肘の脱臼(肘内障 )の原因と整復・再発予防

「子どもの手を引いたら突然泣き出して、腕を動かさなくなった」——これは肘内障(ちゅうないしょう)の典型的な起こり方です。1〜4歳のお子さんに多く、骨折ではないのに腕を全く使わなくなるため、親御さんが驚いて来院されるケースが非常に多い怪我です。整復(元に戻す手技)を行えば数分で回復することがほとんどです。


第1部:なぜ肘内障は起こるのか?

肘内障とは

肘内障は橈骨頭亜脱臼(とうこつとうあだっきゅう)とも呼ばれます。前腕の骨(橈骨)の上端(橈骨頭)を輪状に囲んでいる輪状靱帯が、橈骨頭からずれてしまった状態です。骨折ではなく、靱帯が一時的に骨から外れた状態です。

1〜5歳(特に2〜3歳)の小児に多く、成長とともに輪状靱帯が発達すると自然に起こりにくくなります。

発生のしくみ

  1. 引っ張りの力が加わる:手をつないで歩いているときに転びそうになり親が引っ張る、子どもの手を持ち上げる、スーパーで腕を引いて止めるなど
  2. 橈骨が引っ張られる:前腕が引き伸ばされた瞬間に橈骨頭が輪状靱帯の中から抜けかける
  3. 靱帯が関節内に挟み込まれる:ずれた輪状靱帯が肘関節内に挟まり、痛みで腕が動かせなくなる
⚠️ こんなときは骨折の可能性も:高い場所から落ちた・転んで手をついた・明らかな外力がかかった場合は骨折の可能性があります。必ずレントゲン検査ができる医療機関を受診してください。
図1:正常な肘と肘内障。輪状靱帯が橈骨頭を囲む正常な状態と、手を急に引いて靱帯がずれて挟まる状態の比較イラスト。
図1:正常な肘(左)と肘内障(右)。引っ張り力で輪状靱帯が橈骨頭から外れ挟み込まれます。

第2部:施術と再発予防

整復手技(整骨院・救急での施術)

2017年の系統的レビュー(PMID:27836316)では、過回内法(前腕を内側に回す)回外屈曲法(外側に回しながら曲げる)の2つが有効と確認されています。2020年のRCT(PMID:33133740)では過回内法の成功率が91%と高く、第一選択として推奨されています。

  • 過回内法
    肘を90度に曲げ、前腕を内側(手のひらが下向き)にゆっくり回す。「コクッ」という感触があれば整復成功
  • 整復後
    固定は不要。数分以内に子どもが腕を使い始めれば成功の確認
  • 注意
    整復後24時間で改善がなければ骨折・他の損傷の可能性があり再診が必要
図2:肘内障の整復後の確認と再発予防。数分で腕を使い始めれば成功の目安、手首を引っ張らず脇の下から支えることを示すイラスト。
図2:整復後の確認と再発予防。腕を使い始めるか確認し、再発予防として手首ではなく脇の下から支えます。

再発予防のポイント

再発予防のための注意事項
・子どもの手を「引っ張って」持ち上げない(手首や前腕ではなく脇の下から支える)
・転倒しそうなときも腕を急に引かない
・5歳を過ぎると輪状靱帯が発達し自然に起こりにくくなります

肘内障はすぐにご来院を
「子どもが急に腕を動かさなくなった」場合はお早めにいわさき整骨院へ。骨折との鑑別も含め対応いたします。

いわさき整骨院に相談する →


参考文献

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