何もないところでつまずく。ペットボトルのフタが固く感じる。横断歩道を渡りきる前に信号が変わりそうになる——。「年のせいかな」で済ませがちなこれらの変化、実は筋肉量や筋力の低下のサインかもしれません。

加齢による筋肉量・筋力の低下とは
加齢にともなって筋肉量・筋力が落ちていく状態は「サルコペニア」と呼ばれ、世界中で研究が進んでいます。筋力の低下は、転倒・骨折、外出機会の減少、そして介護が必要な状態へとつながりやすいことが知られています。
大切なのは、筋肉は何歳からでも鍛えられるということです。高齢の方でも、適切な運動によって筋力の維持・向上を目指せることが、多くの研究で報告されています。
自宅でできる簡単チェック
- 片足立ち: 支えなしで片足立ちが何秒できるか(ふらつく場合は必ず壁の近くで)
- 椅子からの立ち上がり: 腕を組んだまま、椅子から5回続けて立ち座りできるか
- 歩く速さ: 青信号のうちに横断歩道を渡りきれるか
- 握る力: ペットボトルのフタ、瓶のフタが以前より開けにくくないか
ひとつでも「あれ?」と感じたら、対策を始めるタイミングです。
今日から始められる対策
- まず歩く時間を少し増やす: いつもの買い物コースを5分遠回りするだけでも一歩です
- 立ち座り運動: テレビを見ながら、椅子からゆっくり立ってゆっくり座るを10回。これは下半身の筋肉をまとめて使う運動です
- タンパク質をとる: 肉・魚・卵・大豆製品・乳製品を毎食に。運動と栄養はセットで効果を発揮します
家族ができるサポート
ご本人の筋力低下に家族が気づいたときは、「弱ったね」と指摘するより、一緒に動く機会をつくるほうがうまくいきやすいものです。
- 「散歩につき合って」と誘う(本人のためではなく「自分のため」という形にすると乗りやすいものです)
- 買い物や孫の送り迎えなど、歩く役割をお願いする
- 食卓に肉・魚・卵を一品増やす
「役割があること」「誘ってくれる人がいること」は、運動を続ける支えになります。
当院・当事業所でできること
いわさき整骨院では、お体の状態を確認し、その方に合った安全な運動メニューをご提案します。また、併設のデイサービス「杜のクラブ」では、介護保険を利用した機能訓練として、続けられる運動の場をご用意しています。「ジムはハードルが高い」という方の選択肢として、ぜひご検討ください。
受診・相談の目安
急に力が入らなくなった、片側だけ動かしにくい、体重が短期間で大きく減った——そのような場合は、筋力低下以外の原因も考えられます。早めに医療機関を受診してください。
まとめ
筋力低下のサインは、日常のささいな「やりにくさ」に現れます。体力の変化に気づいたときから、対策を考えてみましょう。
運動機能の低下が気になる方は、お気軽にご相談ください。
注意書き
運動の効果には個人差があります。持病のある方は、運動を始める前にかかりつけ医にご相談ください。急な筋力低下や片側だけの症状は、医療機関の受診をおすすめします。
参考文献
- Shen Y, et al. Exercise for sarcopenia in older people: A systematic review and network meta-analysis. J Cachexia Sarcopenia Muscle. 2023. PMID: 37057640
- Sherrington C, et al. Exercise for preventing falls in older people living in the community. Cochrane Database Syst Rev. 2019. PMID: 30703272
痛みや動きにくさが続く場合は、早めにご相談ください。
022-341-9623(要予約)

