野球肘(内側側副靭帯損傷・離断性骨軟骨炎)の原因と施術

「投げるたびに肘の内側が痛い」「ボールをリリースする瞬間に鋭い痛みが走る」——野球肘は、投球動作の中で肘にかかる外反力(外側に曲げる力)が限界を超えたときに起こります。放置すると靱帯の断裂に至り、「トミー・ジョン手術」が必要になることもあります。早期発見・早期対処が重要です。 第1部:なぜ野球肘は起こるのか? 野球…

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いわさき整骨院 院長 岩崎真太郎

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院長 岩崎 真太郎

柔道整復師。体の状態や施術の選択肢を、できるだけ分かりやすい言葉でお伝えします。

「投げるたびに肘の内側が痛い」「ボールをリリースする瞬間に鋭い痛みが走る」——野球肘は、投球動作の中で肘にかかる外反力(外側に曲げる力)が限界を超えたときに起こります。放置すると靱帯の断裂に至り、「トミー・ジョン手術」が必要になることもあります。早期発見・早期対処が重要です。


第1部:なぜ野球肘は起こるのか?

野球肘とは

野球肘とは投球動作を繰り返すことで肘に生じる障害の総称です。その中で最も多いのが内側側副靱帯(UCL:Ulnar Collateral Ligament)の損傷です。UCLは肘の内側を安定させる重要な靱帯で、繰り返しのストレスにより微細断裂が蓄積します。

投球時に肘にかかる外反モーメントは最大64Nm(ニュートンメートル)にも達し、これはUCLの最大耐久値に近いとされています。

投球フォームと外反ストレスの関係

  1. 加速期(ワインドアップ〜リリース):肘は急激に伸展する。内側のUCLに引っ張りストレス(牽引力)が集中
  2. フォロースルー:外側の骨同士(橈骨頭と上腕骨小頭)が圧迫される。外側型の離断性骨軟骨炎(OCD:軟骨がはがれてしまう障害)の原因にも
  3. 繰り返し蓄積:1日100球以上・年間を通じた投げ込みでUCLの微細損傷が蓄積し、ある日突然の断裂を引き起こす
動画:投球フォームと外反ストレスの関係

注意すべき症状

  • 投球時の肘内側の痛み・違和感
  • 肘を完全に伸ばしきれない(伸展制限)
  • 物を握る・ひねる動作での痛み
  • 肘内側を押すと強い圧痛がある
  • 「ポキッ」という音や感覚(靱帯断裂の可能性)

第2部:施術とセルフケアの方法

施術から投球再開までの流れ

  • 急性期
    投球を中断し安静。アイシング(15〜20分・1日3〜4回)で炎症を抑制
  • 回復期
    徒手療法で肘周囲の筋緊張を緩和。前腕屈筋群・円回内筋の柔軟性改善
  • 強化期
    UCLをサポートする筋群(前腕屈筋・肘屈筋)の強化エクササイズ
  • 復帰期
    段階的投球プログラム(15m→30m→45m…と距離を伸ばす)

自宅でできるセルフケア

前腕屈筋群のエクササイズ
椅子に座り、前腕をテーブルに乗せて手首を上向きにする。軽いダンベル(500g〜1kg)や水入りペットボトルを持ち、手首を曲げ伸ばし。3秒かけて上げ、3秒かけて下げる。15回×3セット。

動画:前腕屈筋群のエクササイズのやり方

アイシングのポイント
投球後は必ずアイシングを行う。氷嚢かアイスパックをタオルに包み肘内側に15〜20分当てる。直接肌に当てると凍傷のリスクがあるため必ずタオルを介すること。

保存療法 vs 手術

2023年の系統的レビュー(PMID: 36876746)では、保存療法(安静・理学療法・PRP注射)によって79.7%の選手が競技復帰できると報告されています。靱帯が完全断裂している場合や保存療法に反応しない場合にTommy John手術が検討されます。

野球肘でお悩みなら
「少し痛いけど投げられる」段階でのご相談が最も早期回復につながります。いわさき整骨院にお気軽にご相談ください。

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参考文献

ご来院前に知っておくと安心

整骨院は健康保険が使える?対象になる症状と料金のご案内
初めての方へ|ご予約方法・当日の流れ・持ち物ガイド

こんな症状があるときは、先に医療機関の受診を

次のような症状がある場合は、整骨院での施術より先に、整形外科などの医療機関の受診をおすすめします。

  • 成長期のお子さんで、痛みが2週間以上続いている(骨や軟骨の障害が隠れていることがあります)
  • 関節が引っかかる・急に動かなくなる、急に力が入らなくなる
  • 安静にしていてもズキズキ痛む、夜間に痛みで目が覚める
  • 腫れや熱っぽさが強い、見た目が変形している
  • 手や指のしびれ、力の入りにくさがある

判断に迷うときは、来院前にお電話でご相談いただいても構いません。状態をうかがい、医療機関の受診が優先と考えられる場合はその旨をご案内します。

料金・健康保険について

野球肩・野球肘・テニス肘のように、スポーツで痛めたものも健康保険の対象になります。適用できるかどうかと費用は、痛めた原因や状態を確認したうえで、施術前にご説明します。

使えるかどうかは「いつ・何をして痛めたか」「痛めてからの期間」「病院で治療中かどうか」で決まります。具体例つきの判定のしかたは下の記事で説明しています。

整骨院は健康保険が使える?対象になる症状と費用の目安

記事の執筆・内容確認:岩崎 真太郎(柔道整復師)/当院について
最終更新日:2026年7月25日

▶ スポーツ・日常のケガ全体については スポーツ・日常のケガでお悩みの方へ|部位別の見分け方と対処法 でまとめて解説しています。

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